今回はエレキギターとクラシックギターの開放弦の考え方の違いについて書いていこうと思います。
自分は学生時代からエレキギターを始め、その後クラシックギターを個人教室で習い始めた時にカルチャーショックを受けました。また、その後色々と感じた違いについて書いていきます。
開放弦はいい音?汚い音?
エレキギター界とクラシックギター界では開放弦の音質の捉え方が真逆です。
(そんな世界が存在するかどうかはわかりませんが笑)
エレキギター界ではコードストロークなどで開放弦を積極的に取り入れたり押弦している音との違いを「カッコイイ」と思って弾いています。
しかし、クラシックギター界では真逆で、「無機質」「表現力がない」といった印象を持つ場合が少なくありません。
クラシックギターを習い始めた頃、当時習っていた先生に
「開放弦の音が汚いからなんとかしろ」
と言われたで衝撃を受けました。
もちろんまだまだ習いたての頃でしたから音質そのものが汚いこともあったと思いますが、開放弦自体なるべく避けるように運指をつけるように教えられました。
先生は当時60歳前後でしたからセゴビアの影響を大きく受けていることが関係していると思います。
(タレガ、セゴビアがつけた運指では開放弦を敢えて避け、ヴィブラートやハイポジションのふくよかな音を積極的に使っている)
当時はかなりのショックでなかなか受け入れられなかったことを覚えています。
今では言わんとしていることがとてもよくわかります。
やはり開放弦の音は押弦している音と異質です。
良くも悪くも。
弦の振幅が大きいので音質が明るくはっきりしています。
エレキギターではその違いをポジティブに捉えて「違いを楽しんでいる」と言えます。
クラシックギターではその違いをネガティヴに捉えて「異質なもの」として考えている。
どちらも間違ってはいません。
感じ方が違うということなので使い分けることが大事だと思っています。
ですのでクラシックギターを弾く時にはスケールの中で突然開放弦が出てくると音質が変わってしまうことがありますので無理のない範囲で運指を変えるということはあります。
また、メロディを弾く場合に開放弦のロングトーンも避けたいところですね。
そういった「音楽的な音」を意識して聴けるようになったことはエレキギターだけではできなかったかもしれません。
エレキギターを弾いている時はどうしても「弾きやすいかどうか」に着目していましたがそういった音楽的な角度から考えることができるようになったのは違う楽器にどっぷり浸かったからでしょう。
「かじられなアカンねん」
あるギターの先生に言われた言葉です。
ロックをやってる人がジャズをかじる。
エレキギターのついでにクラシックギターをかじってみる。
関西弁あってます?笑 関西弁の先生だったので。
つまり、今いる世界から一度離れて違う世界にどっぷり浸からないと大事なことは見えないよ。ということだと思っています。
「かじる程度」だと違いを受け入れることができないんですね。
エレキギターの片手間にクラシックギターを弾いているだけだったら開放弦の音の考え方を理解できずに拒絶していたかもしれません。
今までの常識を捨てて新しい世界の常識を取り入れると色々な発見があると思います。
違うジャンルのギター、音楽を始める場合は是非とも
・全く違うことを学ぶように心がけること
・今までのプライド、価値観を捨てて謙虚に学ぶこと
これが大事だと思っています。
参考になれば幸いです。
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